多摩グリーンボランティア森木会
 
  多摩市みどりづくり市民協働体制の実践。多摩市の緑を守り、人と自然が共生するまちづくりをすすめ、良好な生態系を次世代に引き継ぐ
  活動をおこなっています。
 

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 [初級講座] 萌芽更新、落ち葉かき、カマの研ぎ方、笹刈り

 
 
1.萌芽更新について(赤羽副会長より)
 
     (エコプラザ多摩にて)
 
 (1)なぜ木を切るのか? 多摩市に点在する雑木林は10数年前、グリーンボラン
  ティア森木会が始まる前は荒れた雑木林が多かった。グリーンボランティア森
  木会が結成されて以降、良くなりつつある。事例として八王子市長池公園では
  1〜15年周期で毎年、萌芽更新を行っているエリアがあり、15年で1周す
  るようになっている
 
 (2)まず計画を立ててどの木を伐採するのかを決めてから切る必要がある。30
  年、40年、50年と樹齢が経ってしまうと萌芽しない。植樹するしかない。
  苗木からと萌芽更新では成長速度がちがう。苗木の植え付けでは1年でおよそ
  30センチ〜40センチなのに対し、萌芽更新では1年で1メートル成長する
 
 (3)実作業(初級講座テキストP54参照)危険を伴うため、十分注意して作業
  に当たること
 
2.萌芽更新実習
 
 (1)はしご(ラダー)のかけかた、のぼり方
  (ア)はしごを最初の一歩が届く高さにかける。下側の鎖を木に巻き付ける。はし
   ご全体を押し下げて安定させる。伐木方向を決める
 
  (イ)のぼる際には、はしごに引っかかるものは体からとって登ること
 
  (エ)はしご上部のひもを木に巻き付ける
 
  (オ)上り下りは、両足とも一段ずつ踏む。片足で一歩ずつ確実に
 
     (よこやまの道 諏訪ヶ岳にて)
 
  (カ)登り切ったら片足を木に巻き付けて作業する。伐採に使用するロープを木の
   重心に考えながら結ぶ。ロープの結び方→3回程度巻き付けるだけでよい。
   (上からでも下からでも巻き付けて良い。自分側のロープには巻き付けない)
 
  (キ)はずす時は、上のロープをはずし上向きにはしごを叩いてずらす。鎖をはずす。
   (使用後のロープは巻き取らずに置いておく)
 
 (2)伐採作業
  (ア)高木の重心位置の確認:針葉樹の場合は、ほぼ木の中心に重心があるが、
   落葉樹は枝張りによって重心が変化するのでよく観察して重心を推測する
 
  (イ)はしご(ラダー)にのぼり、推測した重心位置に、ロープを取付ける
 
  (エ)テキストにあるとおり、作業者それぞれの役割分担を決めおく
 
    
 
  (オ)伐倒方向を決める。伐倒時にかかり木にならないように、慎重に決める。ロ
   ープを引く方向 ≠ 伐倒方向 であることに注意
 
  (カ)受け口を切る。伐倒方向に合った受け口をつくる。三分の一程度の長さで受
   け口を作る。つるを何センチ残すか、負い口の高さは2〜3センチ高い場所
   に決めておく。水平切りは等高線に対して0度、斜め切りは60度。地上高
   は作業しやすい高さで。チョークで線を引いてからのこぎりでゆっくり引く。
 
    
 
    
 
  (キ)負い口を切る。危険を伴うため、作業の前に周りの人に宣言する。各役割分
   担の担当者が配置につく。リーダーは危険なエリアを知らせ、人が入らない
   ように常に回りに目を配る。笛を吹く。ロープを張っているV字(三角ゾー
   ン)の中には人が入らないようにする。切っている人以外は木から離れる。
   滑車を使って伐倒方向に人が入らなくてもロープを引けるようにする
 
  (ク)伐倒後、メジャーで長さを計測する。直径も計測する
 
  (ケ)伐倒後の作業として、玉切り、枝おとし、などの後処理を行う
 
  ※木の中心に穴があいていることがある … 木の老化現象。大きい木であって
   も萌芽更新しないので、伐倒したほうがよい。穴があいているのはリグニン
   が抜けているから。シンボルツリーとして存在意義がある場合もあるので全
   て伐倒ということではない。木にドリルで穴を開けて木の成長のコンディシ
   ョンを調べることができる。見た目だけではわかりにくい。
 
3.落ち葉かき
 
 (1)落ち葉かきは、落ち葉が一つもないように(土が見えるよう)にきれいにする、
  もしくは、落ち葉をいっぱい残していい加減に手抜きでやるでは、どちらがよ
  いでしょうか? … 落ち葉を掃きすぎて土が露出してはいけません。土が流れ
  るのを防ぐため、土の表面を乾燥させないため、シードバンクを守る、土壌昆
  虫などの土壌生物を守るため
 
 (2)横浜市の雑木林での調査では人が一歩歩く中に約2万5千匹の土壌成分がいた
  そうです。ブロアなどの清掃機械を使って、落ち葉を全部清掃してしまった場
  合→5年で生態系がかわり、木が枯れたという悪い実例もある
 
    
 
4.アズマネ笹の笹狩り
 
 (1)落ち葉かきをする
 
 (2)かまで笹狩りをする。かまは厚刃、薄刃といろいろあるが、アズマネ笹にはか
  まは、肉厚で細長いかまがよい。
 
 (3)2年、3年と笹狩りすると、出てこなくなる。光合成ができない→根が枯れる
 
 (4)刃を土の中に入れて並行に根を切る。左手で笹を持ってしっかり力を入れて刈
  る。左手で刈った根を持っておく。刈り取ったアズマネ笹はまとめて置いてお
  く。一つ一つ丁寧に刈ることが大切である
 
 (5)アズマネ笹はすべての場所を刈るのではなく、野鳥や小動物が住めるように残
  すエリアを作り、4〜5年ごとに刈る(笹の高さが膝から胸程度の高さが野鳥
  の住みかとなりやすい)。笹が高すぎても生物が来ない
 
    
 
5.Q&A
 
 (1)枯れ木でも切ってはいけない?
  ⇒枯れ木でも野鳥や小動物の住みかや餌場となるため、切るべきではない。た
  だし、小道のエッジ部分の枯れ木は、風で倒れて人的被害が発生する場合があ
  るので伐採する。鳥がついばみに来るのでそれ以外の枯れ木は原則残してもよ
  い
 (2)キンランギンランは植え替えても育つ?
  ⇒雑木林では、コナラなどの根から発生するキンコン菌、キンランギンランの
  キンコン菌は、共生の関係にあるため、生存できる。キンランギンランを自宅
  へ持ち帰って植えても1週間ぐらいで枯れてしまう。育たないので持って帰ら
  ないこと
 
6.かまの研ぎ方
 
 (1)砥石を水につける。15分〜20分 砥石の砂が柔らかくなって研ぐことが出
  来る
 
 (2)荒い砥石は刃こぼれしたときに使うので普段使用しない。中研ぎ、細かい砥石
  を使って使用後の手入れを行う
 
 (3)かまの柄を足で踏んづけて、刃の裏側に左手を添える。砥石を右手に持ち、
  10回程度刃の面に合わせて力を入れて研ぐ(角度が大事) かえり(ばり)
  が出たら反対側から軽く平行になでてかえり(ばり)をとる
 
 (4)研ぎは刃に垂直、かえりは横に研ぐ。表側は力を入れて研ぐ。手を汚すこと。
  道具が切れなければ、どうしようもない。道具が大事すること
 
    
 
※このレポートは、可能な限り正確にお伝えしていきますが、参加者のメモ書きやノートを抜粋していますので、説明内容が不足していたり、語句や名称について、不正確な場合もありますので、予めご了承ください。

 
 

 
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